レーザーで墨打ちするってウルトラマンかっ!
墨出しとは、施工前の更地や型枠工事後の構造体などに、工事の基準となる目印(水平をだす・造作などの位置を示す)をつける作業。図面をもとに測量し、わり出した位置に墨つぼやチョークラインを使って正確に線を引いていきます。
測量・墨出し専門の職人もいれば、現場監督や大工、あるいは電気工などが個々にやる場合もあります。また測量作業には、ピタゴラスの定理(三平方の定理)や三角関数といった数学的知識も、ある程度必要となります。
具体的には、図面をもとにトランシットあるいはレーザー墨出し器+スケールで基準点をきめ、水平や垂直ラインなどをだす。そのライン上で、スケールなどを使って必要な長さを測る。そして測量したその点と点を、墨つぼやチョークラインという道具を使って結ぶということになります。
墨つぼというのは、例えば木材に鉛筆やマジックで線を引こうとすると、木目にとられて線が歪んでしまったりします。そこで基準点にカルコ(軽子)という針を挿して、もう一方の点まで糸を張り、墨汁が染みた糸をピンとはじいて線を引く。つまり、きれいな直線を一瞬にして引くための道具なのです。(直線だけでなく、曲線を引くことも可能)
このように、墨で印をつけていく作業だから、墨出し。これは、飛鳥時代から行われているマーキング方法。現代の建築現場でも、墨つぼによる線引きは普通に行われています。ですがWeb上で、「今はレーザーで線を引いたりチョークラインを使うことが多いので、墨つぼは現場から消えつつある」といった文章をいくつか見かけました。
それってレーザー墨出し器が、ウルトラマンのスペシウム光線的なものを放ち、壁や床を焼いて線をつけるってこと?いつそんな怖い機能を搭載したの?と不安になったので、今回墨出し・墨つぼについて取り上げてみました。
現場ではレーザーで線を引く?焼く?のが主流、などという話がどこから出てきたのかわかりませんが、とりあえず現時点での墨打ちは、墨つぼが一般的。ちなみに、チョークラインはチョークの粉。拭けば消えるものですから、墨が使えない見えかかりや外壁などに使うんですよ。