プロの建設作業員には誰でもなれる!?
私たちは建設作業員のことを、よく職人と呼びます。土木でも建築でも親方でも手元でも、皆同じく職人さん。反対に建設現場では、例えばボード屋・クロス屋・設備屋というように、個々の職種名に「屋」を付けて呼ぶのが普通。解体、はつりもそう。
それにそもそも、彼らは自分のことをあまり職人とは言いません。なぜかというと職人という言葉には、また違ったニュアンスがあるからです。もちろん、自分は職人だと名乗る人もいます。鳶や型枠大工をやってると言っても通じない一般人には、「オッス!オラ職人!」と言った方が手っ取り早い。
でも下手に同業者に、自分は職人だと名乗ってしまうと大変。大恥をかくなんてことにもなりかねません。
というのも、作業員には誰でもなれる。でも職人には、高度な技術や知識・豊富な経験・優れた人間性が必要。本来、職人とはそういう人たち。だから自ら職人だという人は、それなりの自信があってのことだと判断されてしまうこともあるからです。(ないこともある)笑
職人と作業員。一般的には同じ意味に使われますが、実際現場で働く人々にとっては、言葉の重さが違う場合が少なからずあるのです。当サイトコラム「幸田露伴【五重塔】あらすじ|名工が必ずしも名棟梁という訳ではない!」でも書きましたが、主人公十兵衛は、いくら腕が良くても人間性に難があったため、真の棟梁・真の職人とは感じられませんでした。どちらかというと、主人公十兵衛より、源太親方の崇高な生き様にしびれました!
話を戻しまして、そういう意味でも職人と作業員には違いがある訳ですが、だとしてもそれを専業にして生計を立てているのなら、どちらもプロということになります。例えまだ始めて2、3ヶ月の見習い作業員だったとしても、もうアマチュアではなくプロ。
でも結局彼らをプロの作業員や職人とは呼ばず、半人前の「手元」と呼ぶんですよね。
そう考えるとやはり、職人という言葉の重みをずっしりと感じてしまいます。