主に機械などの汚れを拭きとる布切れのこと!
建設・製造業の職人には耳なじみのある「ウエス」。一般的にはあまり聞かない言葉ですが、使ったことがある人は結構いるかと思います。ウエスとは、主に機械や工具などの汚れを拭きとる布切れのこと。英語で廃棄物・くず・ボロを意味するWaste(ウエイスト)が訛ってウエスになったといわれています。
ざっくりいえば雑巾。ですが100均でも売られているような、四角い布を数枚重ねて縫い合わせたものを雑巾とするなら、ウエスは雑巾ではなくボロ布。なぜならウエスとして販売されている物のもとは、捨てられた古着などをカットしただけだからです。
なぜ古着をリサイクルするのかというと、中古生地は油や水分を吸収し易いという利点があるから。ただし古着ですから、色付きのものもあったり。ですが白だけのウエスの束や、新品生地を使ったウエスも販売されていたりもします。
またリサイクル品とはいえ、もちろん汚れのひどいものや布団、制服他ウエス材に使えないものは選別。ボタンやファスナーを取り除き、魚のように開きにして使い易い大きさにカット。その後、洗濯・消毒したものをウエスとして販売しています。
つまり、ヨレヨレになってTシャツやタオルの役目を終えた布が、ウエスとして再生される訳です。作業現場でウエスが重宝されるのは、油や薬品などの汚れがべったり付いても、そのまま捨てればいいから。
ですからウエスは、キッチンの油汚れ・トイレ掃除など、家庭でも活躍します。冒頭でも言いましたが、そう考えるとすでにウエスを活用している人は少なくないかと思います。ただ、ウエスという言葉が一般的でないだけでしょうか。家だとボロ切れとかボロ布とか、捨ててもいいやつとか呼びますもんね。
うちでも随分前からウエスを使っていました。生前祖母が、お古のタオルをカットしてウエスにした物。でも祖母は布がほつれて糸くずがポロポロ落ちないよう、きれいに切り口をまつってくれてまして……。ですから何だかもったいなくて、今は使わずにとってあります。果たしてこれはウエスというのか(笑)