受け継がれた技術と英知|町大工が上で2×4大工が下というのはナンセンス!

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free画像,古民家,囲炉裏
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そもそも大工という職種自体が高スキル!

意匠を凝らした神社寺院などの建造物、あるいは千年家と呼ばれるような古民家は、芸術作品であると同時に、当時の建築職人の技術力・知の結晶であるといえます。そしてそれらは現在、神社仏閣を建造する宮大工、木造軸組工法で家を建てる町大工に限らず、RC造マンション・プレカット木造住宅などの建物内部の造作をつくる造作大工、

さらには部分的でも、ツーバイフォー・プレハブ大工などにも、脈々と受け継がれていることかと思います。当サイトコラム「【左官】は土壁職人に与えられた官位【右官】は今でいう大工のことだった!」でご紹介しましたが、聖徳太子のいた頃は、建設作業は土木系の左官と建築系の大工という風に、ざっくり分類されていただけ。

free画像,木造屋根,三角

ですが現代では大工職も細分化され、上記以外にも型枠大工や建て方大工といった人たちが、ピンポイントで活躍するようになりました。もちろん今でも、町場の戸建で全工程を取り仕切る大工の棟梁はいますが。

つまり大工というのは、寺社・野丁場・町場いずれもルーツは一緒。なのに、手刻みとプレカットで上下をつけたり。はたまた一方はアーティストで、一方は単なる作業員扱いするのはおかしな話。

free画像,木材裁断,機械,工場

また、有名な建築家が設計したものは有難がっても、無名の建築士が設計したものは軽視しがち。そしてどちらにしても、それらをつくり上げた職人たちのスキルを、スゴイことだと認識する人は、まずいないに等しいのです。

建築というか現場というか、一般人より少しは知ってるかなという私でも、「和小屋の軒げたは、側回り軸部の最頂、柱頭を連絡した横架材で、俗に地回りという。軒げたの継手は普通けたの成の2~3倍柱真から出して継ぐ、これを持出し継ぎという」(出典 建築用語図解辞典 橋場信雄 理工学社)

建築用語辞典,図解

とか言われても、まったくもってチンプンカンプン。その謎作業を、試行錯誤しながらも日々こなしている大工をはじめとする建築職人は、もっと評価されてもいいのではないかと思う次第です。

一般人が、現代の建築職人の仕事内容を知らないが故に、彼らを過小評価しているのだとしたら、まずそこを何とかしたいところ。微力ながら、私なりに頑張ってみたいと思います。

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