もはや国産無垢材が高価な時代ではない?
建設業界で街づくりと言うと、土地を開発して道路や十数区画の家をつくること。ですが近年では、それが宇宙においても想定されるようになってきました。月面や火星などの居住施設を設計する宇宙建築賞なるものも公募され、もはやSFではない気がします。
さて、話を地球上の街づくりに戻しまして。1つ気になるのが、開発分譲地というと、必ずと言っていいほど「緑あふれる住環境・閑静な住宅地」などとうたわれること。自然と共存というより自然を壊し生態系を崩しておいて、街路やビルの屋上に植栽緑化するという行為。
良いか悪いかはわかりませんが、それをエコロジー(生態系・自然環境保全)だとする街づくりに疑問を感じてしまいます。かと思えば、管理コストが高いということで、せっかく植林したのに間伐もせず放置。あげく森林が荒廃する、といった本末転倒のエコロジー。
そんな環境で育った国産無垢材なら、安く売るしかない。そうなると採算が合わないから山林を管理できない、という負のスパイラル。買う方にしたら、国産材より高くても、安定した品質の外材にいくのは当然かと思います。本来、国産無垢材は高価であってしかるべき。
建材として使える木に育てるには何十年もかかりますし、山林を管理するには莫大な費用がかかります。ですから今現在、きちっとした環境下で育てられた国産無垢材となると、希少価値のある一点ものが多くなってしまうかも知れません。
人類が地球以外の惑星に住むというのが絵空事ではないほどに文明が発達した現代。そこまで賢い人間が、自然は1度破壊したら簡単には戻せない。また、本当に良いものをつくるには時間もコストもかかる。ということを前提に行動しないのが、非常に不思議でなりません。費用や手間がかかる本物より、フェイク・コピーの方がいいということなのでしょうか。