どちらが得かは人によって全然違う!
一人親方にとっては悩ましい、確定申告の時期になりました。サラリーマン職人なら会社で処理してくれますから必要ありませんが、独立して社長になると、自分で申告しなければならないので大変です。
この時期になると、もっと節税できないものかと考える一人親方は多いかと思います。そこで今回の「職人ちゃん」では、健康保険料による節税について取り上げてみたいと思います。例えばサラリーマン職人が独立して個人事業主になるとき、社会保険から国民健康保険に切り換えますよね。
この国民健康保険は市区町村で加入するわけですが、納める保険料は前年の収入によって変動するシステム。収入が少なければ安く、多ければガッツリ持っていかれます。それに対し、全国建設工事業国民健康保険組合・建設連合国民健康保険組合・全国土木建築国民健康保険組合……といった各組合の健康保険料は、年齢などによって違うものの収入額とは関係なく一定。(要確認)
収入が少なければ、市区町村の国民健保の方が得なケースが多いですが、安定して高収入が見込める一人親方には、保険料が定額の組合国民健保の方が節税になる可能性があります。ただしそれは、同居している家族の有無によっても変わってきます。
社会保険の場合は別ですが、国民健保は世帯主が同一世帯全員の保険料を代表して払うシステム。ですから、保険料定額の組合健保で一人親方本人の保険料はけっこう節税できる計算でも、家族1人頭の保険料が市区町村の健保の方が安ければ意味がない、という残念なケースもでてくるのです。
つまるところ、市区町村の国民健保と組合の国民健保、どちらが節税になるかといいますと、住んでいる地域・収入額・固定資産の有無・年齢・家族構成などによって変わってくるので、一概には言えないというのが答えです(汗)
それに何かあったときの給付金も、組合の懐具合によっては市区町村健保より多かったり、逆に少なかったりしますし……。
例えば、一人暮らしで相当稼いでいる、独身貴族一人親方には、保険料定額の組合健保の方がお得。前年ほとんど収入がなかった一人暮らしの親方は、一般的には国民健康保険の方が得といった感じで、ケースバイケースになります。
ですから人に「組合健保の方が保険料安いよ。切り換えた方がいいよ」と言われても鵜吞みにせず、自分の場合は安くならないかも知れないということも考えてみましょう。
また国民健康保険料は、上限額は決まっているものの、各自治体・各組合によって納付金額が異なります。ですから具体的な数字を知りたい方は、自分が住んでいるエリアの自治体・建設系組合のホームページなどで保険料をチェックしてみてくださいね。
年齢と年収を入力するだけで、あなたの健康保険料を自動計算してくれる計算機も参考にしてください。