【保存版】野菜の冷凍保存方法|野菜価格高騰を上手に乗り切ろう!

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野菜を冷凍保存するメリットとは?

野菜は冷凍保存で栄養価・旨みがアップ!?

普段料理はしないけど、サラダ用にキュウリ・セロリ・トマトを買った。あるいは即席ラーメンだけじゃ味気ないから、もやし・ねぎ・キャベツなどを入れて一緒に煮て食べた。でもそれらの野菜、1回食べただけで冷蔵庫に放置。気付いたらデロデロにとけていた。なんて経験ありませんか?

そんな時は、とりあえず野菜を冷蔵庫へ入れておくのではなく、すぐに冷凍保存してしまえばいいのです。そうすれば野菜をムダにしなくて済みますし、何も食べるものがないときなど、わざわざ買い出しに行く手間がはぶけます。もちろんその分食費が浮きますから、さらにお得。このように経済的なメリットが大きい野菜の冷凍保存ですが、他にも冷凍野菜には栄養価や味の面でもうれしいメリットがあるのです。

イギリスのチェスター大学とレザーヘッドフードリサーチの研究チームによると、生野菜と冷凍野菜の栄養価を比べたところ、2/3もの野菜において冷凍にした方が栄養価が高いことがわかったのだそう。野菜は収穫後、時間が経てば経つほど劣化していきますが、冷凍させると劣化速度がゆるやかになり、鮮度や栄養成分が保たれるのだとか。

例えばブロッコリーは、冷蔵庫に保存しておくと約1週間でビタミンCが半減。ですが下処理をしてから冷凍保存すると、9割以上キープできます。人参を冷凍にすると、βカロテンが2倍、ルテインが3倍に。小松菜は、ビタミンCも旨みもアップ。きのこ類は、疲労回復成分のアスパラギン酸や、旨み成分のグルタミン酸などがアップします。ほうれん草やトマトは、冷凍にすると甘みが増して美味しくなるんですよ。

また、スーパーなどで売られている市販の冷凍野菜ですが、旬の時期に収穫・加工されるので栄養価が高い。それにトウモロコシやほうれん草などを大量に使う料理をする場合、市販の冷凍野菜は便利だし経済的。ただし、冷食なので保存料は使われていませんが、薬品での殺菌といった最低限の処理は行われています。ですから嗅覚が鋭い方は、自分で冷凍野菜を作った方がいいかも知れません。

野菜の鮮度・安全性を考えると冷蔵より冷凍

収穫後、時間が経たないうちに食べるなら生野菜がベスト。ですが冷蔵庫に入れて置いておくなら、冷凍にしてしまった方が栄養価も鮮度もよりいい状態でキープできます。冷凍すると野菜が長持ちするのは、一般的な冷凍庫の温度-18℃もしくはそれ以下の温度だと、腐敗の原因となる細菌や微生物が活動・増殖しないため。

食品の腐敗が抑えられるということは、食中毒のリスクが減るということ。つまり安全性が増すのです。さらに冷凍するまでの時間をなるべく短くし、解凍する際もいくつかの点に注意すれば、もっと安心。冷凍のコツと解凍の注意点については、後ほど詳しく説明しますので、ぜひ読んでみてください。

ただし、しばらく冷蔵庫に入れたままで、すでに傷みかけている野菜を冷凍保存したからといって、鮮度が復活するわけではありません。それに家庭用冷凍庫は、-30℃~-50℃の業務用冷凍庫とは違うので、やはり品質が劣化します。ですから野菜は鮮度がいいうちに冷凍し、保存も長期間しないようにしましょう。

冷凍した野菜は調理がぐ~んと楽になる

野菜の水分量は、80%~90%。その野菜を冷凍保存すると、細胞内の水分が凍って膨張し、細胞膜を破壊。細胞が壊れるとどうなるかというと、食材に味がしみ込みやすくなって美味しくなる上、調理時間が短縮されるのです。

例えば「大根」は、輪切りにして加熱せずフリーザーバッグに。そこへ醤油や砂糖などを加えて冷凍すれば味がしみ込むため、生の大根を煮るより早く調理が可能。その調味料が冷凍中の乾燥を防いでくれますし、料理の味付けも調える程度で済むので減塩にもなります。煮付けた大根に、さばの水煮缶などを加えてひと煮たちさせれば、簡単豪華な大根の煮付けになりますよ。

カレーやハンバーグに欠かせない「玉ねぎ」は、みじん切りや千切りにして冷凍。すると壊れた細胞膜から水分が抜けるため、調理するとき早く火が入り、短時間でしっとり飴色に。おまけに甘みも増します。このように、野菜を冷凍にすると細胞が壊れて調理の時短になる訳ですが、単純に冷凍保存する際に下処理をしてあるから、調理作業が楽になるという理由もあります。いずれにせよ、料理をするなら早くて便利な冷凍野菜がおすすめです。

冷凍保存できる野菜★できない野菜

冷凍すると重宝するおすすめ野菜

冷凍保存して旨みや栄養価がアップする野菜は、ブロッコリー・人参・きのこ類・小松菜・ほうれん草・トマトなど。さらに薬味に使う大根おろし・ねぎ・パセリもおすすめ。大根は、前述したように輪切りを冷凍して煮物に使うもよし、大根おろしを冷凍して薬味に使うもよし。

ちょっと意外ですが、実は大根おろしも冷凍保存可能なのです。焼き魚・焼肉・鍋料理・そばの薬味などに重宝しますので、余ったら捨てずに冷凍しましょう。「大根おろし」を冷凍するには……水気を切った後、クッキングペーパーで水分をしっかり絞る。パラッとしたらラップの上に平らにならし、小分けにして包む。それをフリーザーバッグに入れて冷凍すればOK。大根おろしの保存期間は約2週間、輪切りなら約1ヶ月です。

一方「パセリ」は、洗って軸を取りのぞいたら子房に分けて、しっかり水分をふきとります。後は大根おろしと一緒、ラップの上に平らにならし、小分けにして包んだらフリーザーバッグに入れて冷凍。使う時は解凍せずにラップの上から揉むと、簡単にパセコン(パセリのみじん切り)ができます。保存期間は、2週間を目安にしてください。

冷凍保存に不向きな野菜

レタス・サニーレタス・ピーマン・ラディッシュなどの野菜は、残念ながら冷凍保存には向きません。どれも冷凍できない訳ではありませんが、変色したりべチャッとしたり苦くなったりとあきらかに変質してしまいます。“冷凍保存バンザイ!”とはまずならないので、できればやらない方が身のためでしょう。

下処理の仕方で冷凍できるようになる野菜

キャベツ・キュウリ・セロリ・もやし・ジャガイモ・アボカドなども冷凍保存にはあまり向いていない野菜。ですが、これらはきちっと下処理をしてから冷凍すれば、わりと美味しく食べられるようになります。美味しいというより、「ムダにしなかったぞ!」という満足感でしょうか。

キャベツ……ざく切りや千切りにしたキャベツを15秒ほど湯通しし、しっかり水気を切る。粗熱がとれたら金属製のバットかアルミホイルに広げて、むき出しのまま冷凍庫へ。凍ったらフリーザーバッグに移し替えて、冷凍保存。保存の目安は1~2週間。ちなみに、お惣菜のとんかつを買うと、千切りキャベツをサービスしてくれる、とんかつ専門店ってありますよね。

2袋もらったけど1つしか食べなかったなんて時は、迷わず冷凍保存しましょう。刻まれているものは酸化が早く、すぐに変色してしまいます。お店のキャベツは極薄にスライスして氷水に浸し、よく水切りしてパリッと仕上げたもの。すでに下処理はできていますので、余分な水分だけとったらそのままフリーザーバッグに入れて冷凍すればOKです。

キュウリ……キュウリは小口切りにし、塩もみしたらよく水気を切る。ラップに小分けしたものを、フリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存。保存期間は約1ヶ月。きゅうりは水分が多いので、塩もみして余分な水分を出してから冷凍すればグズグズになりません。冷凍キュウリに味付けもずくを混ぜ、お好みで酢を足せば、あっという間にヘルシーな酢の物が出来上がりますよ。

セロリ……まず、葉と茎を切り分ける。茎はピーラーで筋を取り、斜め切りに。15秒ほど湯通しし、しっかり水気を切る。粗熱がとれたらフリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。葉っぱは、パセリの冷凍保存方法と同じ。使う際には、やはりラップの上から揉んで粗みじんにします。保存の目安は1ヶ月。葉も茎も冷凍したらサラダのような生食には向きませんので、野菜炒め・チャーハン・野菜スープの具の1つとして加熱調理してください。ちなみにセロリは茎より葉の方が栄養価が高いので、捨ててしまったらもったいないですよ。

もやし……15秒ほど湯通しし、しっかり水気を切る。粗熱がとれたら金属製のバットかアルミホイルに広げて、むき出しのまま冷凍庫へ。凍ったらフリーザーバッグに移し替えて、冷凍保存。保存の目安は2~3週間。自然解凍するとグズグズになるので、凍ったまま加熱調理。即席ラーメンや焼きそばに使うと、美味しく食べられます。

ジャガイモ……ジャガイモは冷凍にすると、かなり残念な食感に。ですからマッシュポテト(茹でたジャガイモを潰したもの)にして粗熱をとり、平たくラップに包んだらフリーザーバッグに入れて冷凍保存します。保存の目安は2週間。冷凍保存したマッシュポテトとキュウリがあれば、簡単ポテサラの出来上がり。

アボカド……アボカドは皮をむくと酸化して、どんどん茶色くなっていきます。しかも身が軟らかいため、冷凍には向かない野菜。そこでアボカドは、ディップ(クリーム状のソース)にして冷凍保存。身を潰してペースト状にしたらレモン汁で変色を防ぎ、塩コショウで味を調えるだけ。それを、冷凍保存容器に入れて冷凍庫へ。保存期間は約1ヶ月。パンや野菜スティックにディップしてもいいですし、マグロ丼にのっけて食べても美味しいですよ。

野菜冷凍保存方法一覧

野菜冷凍保存のコツはブランチングと急速冷凍

野菜の冷凍保存方法は、食材によって微妙に異なります。ですが、ほとんどの野菜に共通して言えるのが「ブランチングと急速冷凍」がとても重要だということ。ブランチングとは、冷凍野菜を作る時に行う加熱処理(茹でる・蒸すなど)。完全にではなく、70%~80%程度加熱すればOK。ここで火を入れすぎると、調理時に食材がクタクタになってしまいますので注意。

なぜブランチングをするのかというと、ブランチングは野菜の色・味・栄養価が落ちるのを防ぐと同時に、野菜に付着している菌や微生物を殺菌する効果も期待できるからです。「急速冷凍」が重要なのも同じく、野菜がしっかり冷凍されるまでに時間がかかればかかるほど、食品の劣化が進行するから。

しかもブランチングした食材が冷凍庫の-18℃以下の温度に下がるまでには、もっとも食中毒菌が繁殖しやすい35℃を通過しなければなりません。そこで食中毒のリスクを下げるためにも、急速冷凍が必要なのです。湯通しした野菜を冷凍保存する際、ラップ・フリーザーバッグ・保存容器などに平らにならして入れたり、熱伝導率がいいステンレス製のバットやアルミホイルを使うのはこのため。ですから、冷蔵庫に急速冷凍機能がついているなら、忘れずに使用してください。アイスノンや保冷剤も使えますよ。

野菜別冷凍保存の仕方/保存期間

ブロッコリー……子房に切り分けて30秒ほど湯通しし、しっかり水気を切る。粗熱がとれたら金属製のバットかアルミホイルに広げて、むき出しのまま冷凍庫へ。凍ったらフリーザーバッグに移し替えて、冷凍保存。保存の目安は2週間。

人参……カットしたら2分~3分固ゆでし、しっかり水気を切る。粗熱がとれたらクッキングペーパーで余分な水分を完全に拭きとり、フリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。保存の目安は2週間。人参は、野菜炒め・カレー・煮物など様々な料理に使えます。本来は料理に合わせて、乱切り・短冊切り・さいの目切りなどカットの仕方を変えるのですが、あまり料理しない方には、オーソドックスな“半月切り・いちょう切り”をおすすめします。

小松菜・ほうれん草……30秒~1分くらい湯通ししたら、ザルにあげて水気を切る。粗熱がとれたら水分をしぼり、適当な大きさにカット。金属製のバットかアルミホイルに広げて、むき出しのまま冷凍庫へ。凍ったらラップに小分けし、さらにフリーザーバッグに入れて冷凍保存。保存の目安は2週間。小松菜・ほうれん草は、解凍後おひたしで食べても美味しいですよ。

きのこ類……いしづきを切り落とし、子房に分ける。金属製のバットかアルミホイルに広げて、むき出しのまま冷凍庫へ。凍ったらフリーザーバッグに移し替えて、冷凍保存。保存の目安は2週間。きのこ類はクリーン栽培しているので、洗わなくても大丈夫。おがくずや汚れが気になる場合は、クッキングペーパーで拭きとってください。また、解凍せず凍ったまま加熱調理するのが美味しく食べるポイントです。

トマト……トマトは丸のままラップに包み、ポリ袋かフリーザーバッグに入れて冷凍。保存期間は2~3週間。食べる時は、そのまますりおろせばトマトのシャーベットに。砂糖で甘くしても、塩やマヨネーズをかけて食べてもグッド!

アスパラガス……アスパラは根元の硬い部分を取りのぞき、ピーラーで皮をむく。そのまま、もしくは使いやすい大きさにカットしたら1分~2分茹でる。粗熱がとれたらクッキングペーパーで余分な水分を完全に拭きとり、フリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。保存の目安は2~3週間。

ナス……輪切りなどにし、10分ほど水につけてあく抜きをする。その後よ~く水を切ったら、平らに並べてフリーザーバッグで冷凍。保存期間は約1ヶ月。市販の麻婆ナスの素があれば、手軽に中華を楽しめます。

ゴボウ・レンコン……ゴボウはささがき・千切り、レンコンは輪切り・半月切りに。30秒~1分ほど湯通しし、しっかり水気を切る。粗熱がとれたら金属製のバットかアルミホイルに広げて、むき出しのまま冷凍庫へ。凍ったらフリーザーバッグに移し替えて、冷凍保存。保存の目安は2~3週間。ゴボウのあくはポリフェノールなので、あく抜きはせずに使いましょう。ゴボウもレンコンも、人参と一緒に炒めてきんぴらに。レンコンをきんぴらにする場合は、薄切りにして冷凍してください。

白菜……ざく切り・細切りにした白菜を30秒~1分ほど湯通しし、しっかり水気を切って粗熱をとる。もしくは加熱せずに塩もみし、余分な水分を出したらよく水気を切る。金属製のバットかアルミホイルに広げて、むき出しのまま冷凍庫へ。凍ったらフリーザーバッグに移し替えて、冷凍保存。保存の目安は2週間。白菜はよくダシが出るので、うどんやスープに入れるといいですよ。

ゴーヤ……種・ワタを取りのぞいて、薄切りに。塩で軽く揉んだら5分ほど置き、そのまま30秒ほど湯通しする。粗熱がとれたらクッキングペーパーで余分な水分を完全に拭きとり、フリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。保存の目安は1ヶ月。

冷凍野菜を解凍する時の注意点

冷凍保存した野菜を解凍すると、水分が出てきますよね。これは細胞内にできた氷が解けたもので、ドリップといいます。ドリップは食材の栄養も含まれた水分ですから、菌にとっては絶好の栄養分。なので、常温でゆっくり自然解凍するのは、食品衛生上あまりよろしくありません。そこで冷凍保存した野菜を使う際は、冷蔵庫や氷水で低温解凍するか、あるいは解凍せずにそのまま加熱調理するようにしましょう。ちなみに、野菜を冷凍するときに行うブランチングは、このドリップを減らす働きもあるんですよ。

野菜の冷凍保存はやらなきゃ損!

野菜を冷凍保存するコツは、“ブランチングなどの下処理・急速冷凍”。野菜を冷凍保存するメリットは、“栄養価や旨みが増す・冷蔵するより野菜の鮮度安全性を保てる・調理が時短できる・経済的”など。野菜価格が高騰しているときは、特売品を買ってすぐ冷凍保存!ぜひ試してみてくださいね。

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