【建築職人】魔除けの意味であえて建物に手抜きをする習慣があった!

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古人は今とは真逆で完璧であることを嫌った!

以前「【逆柱】は怪奇現象を起こす?タブー視される真相を探ってみました!」というコラムを当サイトで書きました。現代でも逆柱は縁起が悪いと、木目などから末元口を見分けて使用する大工さんもいるかと思います。

この“縁起が悪い”には木材の強度が関係していたというのはさておき、一歩踏み込んで“魔除け”の意味であえて建物に細工する習慣も過去にはありました。それというのも古人には、完璧なものはよくない、災いを招く、魔が差すという考えがあったから。

例えば日光東照宮の陽明門。魔除けのため、柱を1本わざと逆柱にしているのは有名です。今思えば生前私の祖母も、新品にほんのちょこっと、わからないような傷をつけたり汚したりしてから使っていました。

また民家などでも、わざと1ヶ所つくり残したり、瓦を3枚残したりといったことが行われていました。それは、建物は完成した瞬間から崩壊へのカウントダウンが始まると言われていたから。つまり未完成を装って、崩壊を阻止しようとしたんですね。

どんなに未完成を装ったとしても、経年劣化は防げません。それでも古人には、万物に魂が宿るというアニミズムの思想がありましたから、木造建築物もれっきとした命の1つ。だから建物をダマせば劣化しないとばかりに、未完成に見せかける細工をしたのでしょう。いや、そこまで深くは考えていなかったかも!?

それとは逆に、現代の建築では常に完璧さが求められ、それ以外は手抜き工事といった見方をされがち。上記のように、古人が災いを遠ざける魔除けとしてあえて隙をつくったのと比べると、あまりにも余裕がないように感じてしまいます。

ですが耐震偽装などで住民が命の危険にさらされる事案がいくつも発生している訳ですから、工事に完璧さを求めるのは仕方がありません。とどのつまり、施工する側への信頼が失墜したから、一分の隙も許さないという状況になったということですね。

ただし、そんないい加減な施工者がいるのは事実でも、誠実で確かな仕事をする職人がたくさんいるのも事実。そこは誤解のないようにお願いしたいところです。

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