材料を沢山持つより危険なく持つ方が大事!
建設作業員は重いものを扱うことが多いため、筋力・体力が必要な仕事。鳶・型枠大工・鉄筋工・荷揚げ屋はもちろんのこと、電気工・大工・左官なども同じ。重いものだけではなく、ムリな体勢で長時間作業をするため、おのずと筋肉がついてくるかと思います。
その筋肉は見た目のために鍛え上げたものではなく、使うためのもの。建築職人にとっての筋肉は、材料や造作そして自分の体を傷付けないために必要な力の1つ。さらに、作業中の転倒や転落・墜落を防ぐものでもあるのです。その場合、腕の筋肉だけでなく体幹を鍛えることも大事。
いずれにせよ重いものを持ち運びする腕力、ムリな体勢でも作業し続ける体力、よろけたり転んだりしない体幹は、すべて安全に作業するため。けっしてムチャな力自慢をするためのものではありません。
確かに、材料を一度にいくつも運べた方が効率的ですが、それで安全性が危ぶまれるようでは本末転倒なのです。職人の筋力・体力は、安全のため。それは食事にもいえます。大工の友人が言うには、例えば暑さで食欲がなくてもムリヤリ食べる。とにかく食べないと動けなくなり、それが事故につながる。だから食べるのも仕事のうち、なのだそう。
彼に限ったことではなく、多くの建築職人がプロとして、そのような高い安全意識を持って日々働いていることかと思います。マッチョだったり腕力があるのはカッコイイ!力自慢したくなる気持ちもわかります。でもそれは、あくまでも安全に作業するための力だということを、ぜひ忘れないでくださいねっ。