大黒柱などの柱や木には神が宿る|現代の建築職人の認識やいかに?

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木への敬意・畏怖・愛情は今も昔も変わらない!

伝統構法といわれる昔の日本建築は、主に柱や梁で建物をささえる構造。ですから田の字型の家の中心に太い大黒柱があり、土台から屋根まで、がっちり家を支えていました。ですが現在は建築基準法の構造耐力上、ほとんどの柱は壁に組み込まれ、木の大黒柱は装飾的なものになってしまっています。

この大黒柱という言葉の由来は諸説ありますが、大黒天という神様に由来するともいわれています。七福神に名を連ねる大黒天は、米俵の上にのった福の神で台所の神様。設計上、大黒天を祀る台所(土間)と座敷の間に、家の中心となる柱を立てることが多かったため、そう呼ぶようになったのだとか。

「大黒様のとこの、太っとい柱に梁刺して」より、「大黒柱に……」の方が言いやすいですもんね。

それはそうと、そもそも柱・木というものは、いにしえから神聖視されていました。柱や木は神が宿る依代(よりしろ)あるいは、木や山そのものを神霊とする信仰があったのです。
神様は一柱二柱、あるいは一座二座と数えますし、山も一山二山、もしくは高い山の場合、一座二座と数えることからもうかがえます。

ちなみに、かの有名な長野県の諏訪大社で7年目ごとに行われる御柱祭の樅(もみ)の御柱や、伊勢神宮で20年に一度行われる式年遷宮の心御柱(しんのみはしら)。諏訪大社の御柱は、中央ではなく社殿の四隅。伊勢神宮の御柱は中央に立てられますが、梁にも届かない短いもの。

つまりこれらの御柱は、構造部材としての柱ではなく神の依代であり、信仰の対象だということを如実にあらわしています。また心御柱は伊勢神宮だけでなく、出雲大社本殿にもあります。

出雲大社の主祭神は、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。大国主大神は、国をつくり農業や医術を人々に教えたとされる神。そして大国主は、大黒様という呼び名で人々に親しまれていました。先ほど述べた大黒天ですね。

家を持つということは、一国一城の主になるということ。そこで「大国主」にあやかって、どっしり家をささえる柱を大黒柱と呼ぶのだという説もあったりします。

このように、本来柱や木は神聖なもの。現代の木造住宅では木の存在を感じにくいかも知れませんが、尊いものであることに変わりはありません。建築現場で働く職人さんたちの木材の扱い方をみていると、それを実感させられます。

木には神が宿っているという認識とは少し違うかと思いますが、数十年数百年生きてきた木に対する敬意や畏怖、愛情をもって扱っているのがうかがい知れます。木に話しかけ、それぞれの性質を読み、それに合わせて加工する職人。

そうして加工されてもなお、伸縮し生き続ける木。それだけでも、柱や木を尊び大切にするのには十分ではないでしょうか。

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