見えがかり・見えがくれも建築専門用語!
マスコミ業界では一日中「おはようございます」を使うように、建設業界でも「ご安全に」という特有のあいさつがあったりします。それに最近では、どの業界でもSNSで連絡を取り合うことが増えたせいか、なにかと略語やカタカナ語にしがち。
例えば“スケジュール変更になりました”は、“リスケ(リ・スケジュール)です”で済ませてしまったりして。ただし、それができるのは身内だから。第三者に使うと、まったくイミフ(意味不明)な言葉になってしまい、かえってそれを説明する手間が増えることに……。
またお客様に対しては、平易できちっとした言葉遣いが好ましいといえるでしょう。耳慣れない専門用語を多用する人って、自分本位ってことになりますからね。
基本的に業界用語といわれるものは、十しゃべる手間をはぶいて一にして、作業を効率化するために使っているものが多いような気がします。例えば内装職人が、壁や扉などが「たおれてる/ばちってる」と言うとき。
十でしゃべると、「直角がとれてなくて、壁がまっすぐにたってない/斜めにズレてて、正方形の枠が台形になってる」などと長ったらしくなってしまいます。ほかにも「なめた」は、「ねじ頭の溝が潰れた」。
「見え掛かり/見え隠れ」は、「建築部材で表にでて見える部分/下地など隠れて表にでない部分」。この言葉など、「見えかかるどころか丸見えじゃん/見えかくれじゃなく、まったく見えてませんけど」と、専門用語だということを知らないと混乱するものもあります。
このように、字面で意味を推し量ろうとすると、カオスになるケースもある業界用語。見習いの新人もほぼ一般人ですから、最初のうちは十しゃべる手間をかけてあげてくださいね。